栞いろは歌  禅のことをもっと…

破顔微笑(はがんみしょう)

臨黄ネット栞「は」 破顔微笑(はがんみしょう) 
お釈迦さまが金波羅華の花を差し出された時、悟りの目の開けんものは、「変なものを出されたなあ。あれは金波羅華の花じゃないか」としか見えませんでしたが、悟りの開けた迦葉尊者が見ますと、そのまま真理、そのままお釈迦さまのお心だったのです。そこで摩訶迦葉尊者一人が、破顔微笑、思わずにっこりと笑ったのですが、心の目が開けると、「花は紅、柳は緑」「柱は縦に、敷居は横に」。ありのままの自然が、そのまま永遠なる真理といただけるのであります。

《原典・毒語心経/引用・山田無文著『無文全集』第十巻「毒語心経」(禅文化研究所)より》

写真 京都/高台寺・庫裡玄関