栞いろは歌  禅のことをもっと…

脳後抜箭(のうごにやをぬく)

臨黄ネット栞「の」 脳後抜箭(のうごにやをぬく)


頭に刺さった矢を自分で引き抜いて、それを的に放ったという故事から来た言葉である。当たるも当たらんもない、的の中へ飛び込んだようなもの、百発百中だ。無字の真っただ中じゃ。〔是れ什麼の消息ぞ〕いったい、どういう心境であろうかナ。〔平実の処に堕在す〕差別の真っただ中、現実の生活の真っただ中に飛び込んで、しかも差別を意識しないというところが、草茸々、色即是空だ。現象の真っただ中がそのまま空である。

《原典・碧巌録/引用・山田無文著『無文全集』第二巻「碧巌録」(禅文化研究所)より》